9月も終盤。庭のホリーの実も急に赤く色付き始めた。
このまま、秋が深まるかと思いきや、土曜日は
インディアンサマー
だった。
日本で言うところの
小春日和 こはるびより。
肌寒くなってきた秋に訪れる、春の日のような暖かい日のこと。
語源は、その暖かい秋の日に収穫をするというアメリカンインディアンの古くからの風習。そこからきているらしい。諸説あり。
その日は、わけあって暇じゃなく、ご用事で街へ。
もう秋だから、チュニックドレスと長袖のシャツの重ね着。おされの秋。
が、
暑い。
暑すぎるぜ、インディアンサマー。
しかも長袖のシャツは生地が薄くても保温性バッチリのユニクロのヒートテックときた。
周りを見渡すと、肩出しタンクトップに生足の短パンにフリップフロップ。みなさん真夏のファッション。ここはビーチか?といういで立ち。
あー、暑い。上に着ているチュニックドレスを脱ぎ捨てたい。
けれど、ダメだ。
脱ごうものなら、ピッタリしたヒートテックとレギンスで、まるでモジモジくんのアウトフィットになってしまう。スレンダーラインならともかく、日本で蓄えたこの腹周り。只今ダイエット中。
いやね、こっちの人はね、結構なドスコイでもね、モジモジくんアウトフィット平気だったりするけど、
あたしゃ無理。
独り冬支度でバカみたい。
インディアンサマーに翻弄される。
インディアンサマーは素敵な言葉。こっちで俳句を読むなら、秋の季語。
コレを使えば特待生まちがいなし。
けれど、
バアバア ブラックシープ♫ というナーサリーライムが、今やレインボーシープとなってしまうここ、イギリスなので、
それ、普通に言っていいんですか?
ポリコレ的に大丈夫?
と
いらん気を使ってしまう。固有名詞は特に気を使う。
知れば知るほど、余計な気を使わなきゃならない。
メンドクサイ。
深読みしすぎて、よけい訳わからんことになって墓穴を掘る。
今や、モラルの基準がわからない。
そんなふうに考えなくちゃいけない世の中って世知辛いし、そんなふうに考えなければならなくなった自分がイヤだ。
ああ、イヤだ。
ビューティフルな日、インディアンサマーに翻弄される午後であった。