前回の文学レシピでコテージチーズを作った。
その時の液体副産物、ホエイ(ホエー)
ホエイの写真、かわゆく撮るのに苦労した。なんせ、この液体の色が...。
ホエイまたはコテージチーズの作り方↓
文学レシピ#2「ホームメイドコテージチーズ」 - 暇の向こう側
ホエイは栄養があるらしい。プロテインドリンクの原料にも使われている。
そして、大体のレシピでも、栄養があるので捨てずに、ドリンクにしたり、料理に使おう。と書いてある。
でも、悪いけれどいつも捨てちゃう。栄養満点なのにもったいない。
じゃあ、暇だし、何かに使ってみようじゃないの。
さて、どんな料理に使おうか。
そうだ。
和でいこう。道三郎だ。マクド的な。
お味噌汁なんてどうだ。
具は、おうちにあるもの。
マッシュルーム、玉ねぎ、ラナービーンズ、庭のサバイバルなスプリングオニオン(おネギ)
ふぇ?
具が全然「和」じゃないって?
まあまあまあまあ、
ここ、イギリスだし、イギリス情報っつーことで。
細かいことはさておき、
文学の、文学のための、文学からのレシピだから...。
*****
その女の名前は保栄千寿子。
千のことぶきの子と書いてチズコと読む。千ものことぶき、幸せがあるはずなのに、幸せに薄い。
今まで、何人の男に捨てられてきたか。
「君はとてもいい人だ。けれど、もう終にしよう」
そのセリフを何度聞いたことか。これで何度目?
「そうよ、男はみんな、ザルにかけて残ったいい女をターゲットにするの。あたしはいつも濾されてれ下に落ちる。都合のいいように使われて、結局、捨てられる」
保栄千寿子は夜の街をあてもなくふらふらと歩いた。
「みんな、あたしがどんなにいい女か、どんなに価値のある女か解ってないのよ。う、う、ううう…」
そして路地裏でしゃがんで泣いた。
「捨てないよ。捨てるものか。君は素晴らしい」
夜の街の雑踏に混じって、背後から声がした。
—―えっ、だ、誰?
千寿子はその泣きはらした顔を上げた。
そうよっ、そうなのよ!
こんなに栄養のある、使用価値のある、ホエイを捨てるものですか。
いつもの手順でお味噌汁を作る。が、お水の代わりにホエイをつかう。
全然「和」じゃない具を煮る。火をとめ
お味噌を入れる。
出来た。ホエイのお味噌汁。
うまっ。
これ、やばくね。
レモンがガツンと効いている。
しいて言うなら、お味噌汁にするならレモンより、お酢で作ったほうがいいかも。今度はワインビネガーで作ってみよう。
でもレモンも、ありだ。さわやかなお味噌汁。
ホエイのお味噌汁美味しい。合わせ味噌なのに、白味噌を使ったような上品な甘み。
今までホエイを捨ててたなんて、なんてもったいないことを。
これからは、捨てずに、す、捨てずに…
うっ…
腹いってえ。
何コレ、人生最強のギュルギュル。
やば、ちょっと…
その後、雪隠に直行することになる。
ダム決壊、土石流。
できるだけ美しく 書いたが、とりあえずごめん。
〜〜あとがきと解説〜〜
いや、これね、
栄養があるから飲んだほうがいいかも知らんけど、そっちよりも、この、サイドエフェクトのこと、どのレシピも書いたほうが親切だと思う。
調べたら、ホエイでお腹がゆるくなる人、わりと多いみたい。人によってその症状の差はあるかもしれないけど。
乳糖不耐症 の人、要注意。
そういえば、筋トレに凝ってた頃、トレーニングしたあとにプロテインドリンク飲んだらいつもお腹がゆるくなった。こんなに苦しい筋トレして、そのあとにこの苦しみ。
「なぜ?これは何かの罰ですか?」
と思ったものだった。
こんなふぉざりんみたいな人は乳糖不耐症。
ミルクとか普通に大丈夫なのにな。
そっか、味見で、コップからゴクリとそのまま飲んだのがいけなかったのかな。乳糖取りすぎか。
マジ、凄いから。
学校とか仕事に行けないレベル。避難勧告、待機命令。アラート鳴るレベル。
あ、でも逆に言えば腸内すっきりしたい人いいかも。
……保栄千寿子、君は素晴らしいが、やっぱり終にしよう。