最後にベイビーのマム(おかあさん)を見たのはいつだったか。
もう10日以上もマムを見ていない。これが最後に撮ったマムの写真。マムとベイビー。
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6月のころ。毛色がまだグレーだったころのベイビーとマム。この頃のベイビーは他の子馬よりもなんだか弱々しくて、見に行くたびに心配だった。
マムはおっとりした性格で、とてもジェントル。とても優しい馬。顔からも優しさが滲み出ている。
ベイビーとマムはいつも一緒だった。
お馬の親子は仲良しこよしだもの。
ベイビーが成長して毛色がグレーから黒に変わっても、いつも一緒。
なのに、
ここ最近、ベイビーはひとりぼっち。
「おかーさーんー。どこおー?」
ひとりぼっちのベイビー。 マムは何処に行ったの?
まだミルクが欲しいだろうに。
ベイビーが不憫でしかたがない。
仲間はずれにされてないだろうか。
どうやら、そんな心配は無用のようだ。
おやつのリンゴがもうなくなって、やわらかい毛並みを撫でていると、
もういい。とばかりにトゥインクルのもとへとベイビーはかけていった。
トゥインクルはベイビーと同じくらいの子馬、グレイのお母さん馬。黒い大きな美しい馬。けど、気性が荒い。アグレッシブ。額に白い星がある。
子馬グレイも、ちょっと前まで毛色がグレイだった。
トゥインクルがベイビーのお世話をしているのか。馬は自分の子以外にもミルクをのませるのだろうか?
この前は、正義感の強い馬、アウトローのリーダー、マシュタッシュと一緒にいたし、
ベイビーよりちょっと年上のヤギー・ザ・スリーカラーとじゃれあったりしている。
ああ、仲間はずれになってなくてよかった。
仲間の馬たちとうまくやっているようだ。
調べてみると、子馬の親離れは5~6ヶ月と書いてあった。もう自分で十分草を食べていけるのでミルクを飲まなくてもいいらしい。
けれど、ベイビーと同じ年頃の他の馬はお母さん馬と仲良く一緒にいるし、ミルクも飲んでいる。
ベイビー、君もおかあさんの横にピタリといたいよね。ミルクも飲みたいよね。夜はおかあさんと一緒に眠りたいよね。
ベイビーのマム、本当に何処へ行ったのか。
も、もしや、…
……
……ドナドナされた?
あ、そう言えば、ハッティーのお母さん馬も最近見ない。
やっぱり、ドナドナされたのか……。
ちがう。
ちがう、違う。イヤだ。
ヤダヤダヤダヤダヤダ。
絶対、ちがうーーーーーっ!!
考えたくない。
ドナドナなんかされてない。
きっと、この広いフィールドの何処かにマムはいるってば。
明日は、きっと明日は、
そのやさしそうな黒い瞳をキラキラさせて柵のそばに立ってるよ。ベイビーと一緒に。
子馬は覚えているのだろうか。お母さんとの思い出。