イギリスでは今や、寿司、ラーメン、チキンカツカレーなど、日本食が市民権を得て、イギリスの一般家庭に入り込み、テスコやセインズベリーのスーパーで普通に日本米や味噌、海苔、パン粉、カツカレーペーストなる物も買える時代になった。その味のことはあえてここでは語らぬとしよう。
今でこそ、チャイニーズ食材店で日本の物を買えるが、昔はよくわからない摩訶不思議な中華物ばかりが並んでいた。
その昔、ロンドンに住んでいた私にとって、日本食材店と言えば、ロンドンの中心地にある、「ジャパンセンター」「ありがとう」「らいすわいん」だった。お米と言えば今と比べたら、ジャポニカ米のブランドも少なかったように思うし、カリフォルニア米なのに結構な値段だったのを覚えている。
純日本産の有名銘柄米となると、大航海時代の胡椒やスパイスですか?ダイヤモンドと交換できるんじゃね? とかにも似た尊重感。
リッチな駐在員&その家族ピーポーのみが口にするのを許される代物。
私のようなビンボー学生には、そのような純日本産米の白いご飯は夢のまた夢。
「ああ、米食いてー。けど、米高いー」
魂の叫び。
そして、ビンボー学生は発見したのだ。
スーパーでフツーに売られている米。その名は
プディングライス。
プディングライスとは、イギリスのデザート、ライスプディング(ミルクがゆ)に使うお米。
当時、500グラムで50pくらいだったかな。とにかく安い。
そのプディングライスをご飯として食べていたロンドン時代。
炊飯器など持っていなかったから、お米を炊くのはいつも鍋だった。もし今、鍋で美味しいお米を炊く大会があったら絶対優勝できる自信がある。
…あ、美味しくお米を炊くならパナソニック炊飯器「Wおどり炊き」にはかなわぬだろう。かなうわけがない。
プディングライスはショートグレインライスで、ロンググレインやインドのバスマティライスに比べるとそこそこ粘り気もある。炊きたてはまあまあ日本米に近い白いご飯として食べれるのだ。
が、
冷えたらバサバサになって食べれたものじゃない。けれど、日本人の性、お米は捨てれない。もったいない。もし余ったら、冷蔵庫に入れて次の日チャーハンに使う。
「お米、ご飯を捨てるとバチが当たる」「お米一粒作るのにも農家の人たちが汗水流して育ててる。ご飯粒残しちゃダメ」
と教えられて育った。
プディングライスでも米は米。プディングライスだからって、バスマティライスだからって、捨てれない。どうしても捨てる時はギルティを感じる。お米だもん。もはや米崇拝。
けれど
こっちの人は、残り余ったご飯をガンガン捨てる。ご飯はフードポイズニングになりやすいからだ。特にリヒートするとバクテリアが発生しやすく危ない。だから容赦なく捨てる。残ったチップスも同様。
ロジカル。
ロンドン時代、
プディングライスをご飯として食べていたら、その時のイギリス人のボーイフレンドに思いっきり引かれた。ライスの残りを次の日の料理に使うと知ると、もう、ドン引きもドン引き。
二人の間に架かっていたロンドンブリッジは堕ちた。
あれから20年の月日が経つ。
今でも純日本産の高級お米は健在で、今もなお、リッチな駐在員&その家族ピーポーの食卓の上で白いダイヤモンドのように輝いていることだろう。
米の味が分からぬイギリス人の夫&一般ピーポーの我が家だと、そこまでお米に対してのこだわりはないし、毎日のように白いご飯を食べるわけでもない。そんな我が家にピッタリなのが、イタリア産の美味しいジャポニカ米。手頃な値段で手に入る。十分美味しい。クリック1つでデリバリーもしてくれる。
そして、プディングライスも健在だ。さすがにもう、プディングライスをご飯として食べることはなくなった。
スーパーのケーキ食材売り場でプディングライスを見ると、ロンドンで過ごしたあの青春時代を思い出す。
久しぶりに炊いてみようかな、プディングライス。
おしまい
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by パナソニック