ブログをお休みしていました。
もう、このままフェイドアウトして辞めてしまおうかと思ったりもしました。
けれど、
開いてもいないし更新もしていないのにそれでも、アクセス数はゼロじゃなくて、こんなブログでも読んでくれている人がいて、それと、更新がないので心配してメールをくださったり、励ましのメールを頂いたり、本当にありがたく思います。
なので、ブログを読んでくれている方々、今までコメントを下さった方々にちゃんとお知らせをしないといけないと思いました。
実は、
馬のベイビーが天国に召されました。
最期はラベンダーの香りの中私達の腕の中で眠るように穏やかに旅立ちました。
原因は、血液検査の結果によると3つの疾患があり、遺伝的に弱い馬だったようです。
悲しみとか後悔とかもうなんだか自分でもわからないくらい心がグチャグチャに打ちひしがれていてブログを書けずにいました。
10月の終わり頃、太り過ぎのための飼料カットからの下痢、ワーム駆除そして2頭とも痩せていきました。特にベイビーはギスギスに痩せていきました。
最初に馬獣医さんに診てもらった時は、痩せている以外は心拍、肺、体温とも平常でした。この時はまさかこんな結末になるとは微塵も思っていなかったです。
そのときに出た馬糞にレッドワームが混じっていたのが決定的で痩せている原因は寄生虫だと診断。前回のワーミング(寄生虫駆除)から1ヶ月も経っていないのに再びワーミング。それを境に食欲不振。再度下痢になり、数日後、血液検査をしたら数値は相当悪いとのこと。治る可能性のあるステロイドを打ってもらって、一時はステロイドにより食欲も回復したけれど、食べたあとに痛みに耐えてじっとして、しばらくしたらまた食べて、また痛みを耐えるの繰り返しでした。昼も夜も夜中も様子を見に行き、お世話をしましたが、痛みを耐える仕草はなくならず、これ以上悪化すると痛みに耐えかねてステイブルで暴れ死ぬという悲惨な最期になるかもしれないということで、人道的に安楽死を選択しました。
あの時、太り過ぎだと餌をカットされたり、寄生虫に侵された子馬と同じヤードを使わせたり、餌の変更、安楽死の選択、そんなアドバイスは間違ってたんじゃないかとか、
前回のワーミングから1ヶ月もたっていないのにワーミングをした馬獣医さんを恨んだりしました。後から聞いた話ではその時の馬糞サンプルには寄生虫のタマゴはゼロだったらしいです。あの誤診が無ければベイビーは死なずにすんだかもしれません。
けれど、
けれど、どうしてその人たちのせいにすることが出来るでしょうか。
みんな、みんなベイビーのためにいろんな手を尽くしてくれました。姐さんは無知な私にいろんな馬のことを教えてくれました。感謝をするべき人たちなのです。
もう一頭の馬、ハッティはベイビーと全く同じ境遇状況の中、痩せはしたけれど、回復していきました。ということは、やはりベイビーは体が弱い子だったのです。血液検査でもそれは出ています。
「生後4ヶ月の時に母馬から離されたので、十分な栄養が取れてなく免疫力がついていなかったのだろう、もうすでに内臓がレッドワームにやられていたのかも。穏やかに最期を看取ってあげることができて良かったね。トラベラーのフィールドだったら苦しんでもがいて最期はどこかの溝で独りで死んでたかもしれないよ」と姐さんは言いました。
けれど、受け入れることが出来ませんでした。
すべては、私のせいです。私の馬に関しての知識のなさがベイビーを殺してしまったのです。
あの時に自分の意思で餌をストップしないであげていたらとか、あの時にグラスペレットに変えていたらもっと食べて太ってたかもとか、もう一日様子を見て、またステロイドを打っていたら元気になって体力も回復して安楽死させずにすんだかもしれないとか、罪と後悔の念がベイビーを失った悲しみより大きくて、日が経つにつれてそれはどんどん大きくなって、レスキューしたつもりが逆に殺してしまったその事実に息が出来なくなって苦しくて、いつも吐きそうなくらい目覚めの悪い朝で、レスキューとか言ってるけど自分はとんでもない偽善者で、馬のおじさんの広い広いフィールドからここに連れて来たことが根本的な間違いだったかもしれないと思うようになりました。
あの日、ベイビーは馬のおじさんのフィールドで仲間と一緒に草を食んでいて、私がヘッドカラーを着けホーストレーラーに乗せ、そこから連れ出し、ここの牧場に連れてきました。
そして、最期の日、ステロイドのお薬が効いて美味しそうに干し草を食んでいるベイビーに私がヘッドカラーを着けてフカフカの藁の上に連れて行きました。獣医さんが首筋に注射をしたら、ブハーと鼻から息を吐いて、ドダッと横に倒れました。ベイビーは私達の腕の中でその後ゆっくりと呼吸がなくなっていきました。
ヘッドカラーを着けられて注射されるのは今まで3度ありました。ヘッドカラー=恐怖なのに、最後まで、その最期までヘッドカラーを嫌がらずにおとなしく着けさせてくれました。
最期まで私を信頼してくれていたのです。
ごめんよ。ベイビー。ごめん。ゆるして。許してください。
自分で自分を責めました。
ベイビーは幸せだったでしょうか?
ベイビーは私を許してくれるでしょうか?
馬のおじさんは馬のおじさんの信念を持って、姐さんは姐さんの信念を持って馬と接しています。
私にはそれがあったでしょうか?
唯一救われるのは、ステロイドのお薬が効いている間にお腹いっぱいヘイを食べて、大好きな梨とニンジンもバリバリ食べて、それから汚れたテールをきれいに洗ってあげて、ラベンダーオイルを付けて、たてがみも背中もお腹も足もいっぱい、いっぱいブラッシングしてあげて、ラベンダーの香りに包まれて、いつもの元気なベイビーのままで、苦しむことなく眠るように旅立って逝ってくれたことだけです。
ベイビーが旅立ったステイブルには違う馬が入っていて掃除が今でも辛いです。ベイビーとハッティがいたパドックを見ると辛いです。ここの牧場に来ることが辛いです。でも、ハッティを見ると心が落ち着きます。ブラッシングをしているとベイビーを思い出してポロポロ涙が出てきます。ハッティはわかっているのかいつもじっとしてくれています。
ハッティとベイビーは子馬同士でありがちな遊びで噛んだり追いかけて走ったり、じゃれ合ったりすることがあまりみられなかったので、ハッティは弱いベイビーに合わせて激しくじゃれ合ったりせずに、お世話をしていたのだと姐さんが言いました。
ベイビーは甘えん坊だったので、ハッティがいつもそばにいて本当に心強かったと思います。いつも一緒にいました。
みんな、みんなベイビーをケアしていたんです。そしてみんな辛かったんです。
残されたハッティの幸せを一番に考えなければなりなせん。ベイビーの為にも。
ハッティの去勢が済んだら、家の近くにパドックを借りる予定でしたが、ベイビー亡き今、ハッティだけをポツンと飼うのはあまりにも可愛そうです。馬は群れで暮す動物。一緒に暮す友だちが必要なんです。
なので、ハッティは里子に出すことに決めました。
まだ先ですが、エミリー(仮名)と旦那さんのスティーヴン(仮名)のはからいで、彼らが働いているホースセラピーセンターにハッティは行くという方向で動いてくれることになりました。そこは広大な草原にちゃんとした施設も備わっているところです。
ハッティは賢く温厚な馬なのでセラピーホースの素質があると思います。それにそこだとボランティアとしてハッティのお世話ができるし、いつでも会いに行けます。
そこに行くまで、ここの牧場でハッティにセラピーホースとしての躾けとマナーを教えて、立派なセラピーホースとして送り出す事が私の役目だと思います。ベイビーの為にも。そして、たくさんの人の心を癒やす馬になってほしいです。今、私達の心を癒しているように。
今でも、もしあの時に、、、と「もし」がまとわりついて自分を責める時があります。何気ない時に突然思い出して胸がキューっと苦しくなって立っていられなくなって涙がボロボロこぼれます。ベイビーにまた会いたくて、ブラッシングをしてあげたくて。それなのにベイビーの写真は今だにちゃんと見れません。胸が苦しくなります。グーグルフォトが去年の今日とか、過去の思い出の写真をスマホに出して来ますが、辛くて見れないです。
ポッカリ空いた悲しみと後悔と罪の穴は大きすぎてなかなか埋まりません。
けれど、それにちゃんと向き合えるようになりました。
誰かのせいにしたり、自分を責めて苦しんでいる時に、ある方から助言をいただきました。
「自分自身で納得をしないと、後悔の念は消えない」と。
納得って何? 都合よく解釈して罪から後悔から逃れるための口実だと思いました。
でも、そうじゃないことに気づきました。
"馬のおじさんは馬のおじさんの信念を持って、姐さんは姐さんの信念を持って馬と接しています。私にはそれがあったでしょうか?"
私に信念はあったか?と自分への問の答えがちゃんとありました。それはナイーヴ過ぎて未熟なものだったかもしれない。けれど、ないわけない。無いわけがない。
そのことを一つづつ照らし合わせて消化して受入れることで昨日より今日、今日より明日と少しづつ心の穴は埋まっていくと思います。
こうして自分の思っていることを吐き出してブログに書けたことも大きなステップだと思います。
以前のように日常の出来事をブログに書けるようになるのはまだちょっと時間がかかりそうです。でも、またきっと書きたいと思う時が来ると思うので、その時が来たらぼちぼちと自分のペースでまた書こうと思っています。
悲しくて泣いたりしても、泣きながらでも、
人も馬もみんなそれぞれ次のチャプターへと進んで行くのですから。
ベイビー、ごめんよ。許して。ごめんなさい。自由になった今、風となって広い広いフィールドを駆け巡って。そこにもいるし、ここにもいる。呼んだらその茂みから出てくるよね。そして、動物はその生涯を終えると、虹の橋を渡って大切なスピリットを待っているそうです。そこで先に旅立ったお母さん馬にベイビーは会っていると思います。いっぱいいっぱい甘えてね。
そしてありがとう。ベイビー。私たちにとって世界一可愛くてビューティフルで甘えん坊でお茶目で賢い馬でした。私達のところへ来てくれてありがとう。
読んで頂きありがとうございました。