その日は、
午前中は晴天で牧場に行きハッティさんのお世話して、
午後から歯医者に行き歯を抜かれ、
そして
突然の雷、豪雨。
そんな中、ベジの人をオフィスに送る。
雨足こそ弱くなったものの、車が水没してしまう位に水が何処からともなく流れてきて、これって走行可能なのか?と思うくらいの水たまりというか、もはや川を前の車のテールランプを見ながらゆるゆると走行するも、
どこにでもいるんですね、超あほんだらが。皆ゆるゆる走ってるのにスピード出して追い越して行く車。ザバーーーっと水かぶって1、2秒前が見えましぇーーん。死ぬかおもた。
やっとの事でベジの人を送り家に向かって帰る頃にはさっきの豪雨が嘘のように日が差した。
道路脇の庭の木々の雨粒の装いがキラキラ光ってとても綺麗だった。
そして道が開けてフィールドを見渡せる場所に来たとき、
フロントグラス越しに見事な半円の大きな虹を見た。
なんと美しい虹だろうか。
無事に家に着き、
麻酔が完全に消えて抜歯したところが痛む。
痛み止めを飲んでソファーに横たわってダラダラしていた。なぜなら
ベジの人も居ないし、娘ちゃんはお出かけ。家に誰も居ないので晩御飯の用意もしなくていい。
そんな時、エリザベス女王陛下崩御のニュースが目に飛び込んできた。
それから程なくして、ベジの人から電話が来た。彼は別にロイヤリストでもなく、王室なんて別にっフンっ。て感じの人だけど、クイーンの死を悲しんでいた。
この時が来るのはわかっていたけれど、その時が来てしまった。
横顔のシルエットでクイーンとわかるイギリスのアイコン。
美しく、チャーミングで気品に溢れた英国の顔。
アナーキーなパンクバンドにポートレートを落書きされちゃったりしたけれど、そーーゆーのも許しちゃうあたり、クイーンは偉大だった。
ああ、
やっぱり悲しい。
悲しいけれど、時間は進んで行く。
この日のお天気と、
この日のあの最高に美しい大きな弧を描いた虹は何かを象徴していたに違いない。
新しい時代へと続くキラキラした虹の道を示してくれたかのよう。
ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン
そして
これからは
ゴッド・セイヴ・ザ・キング。