午前中、
クリスマスカードを書くことに決めた。
クリスマスカードを書くこのひと時は1年のうちで大好きな時間。片手間的にチャッチャと書くなんてできない。
もはや儀式なのだ。
この厳かな時間をマキシマムに楽しむのだ。
そのおともは、今年はコーヒー。
今日のコーヒーは特別。コーヒー豆を自分で挽いて飲もうじゃないか。
コーヒーミル。
お手製のカバーをとってみよう。
確か、イタリア製だと言っていたような気がする。このコーヒーミルを手に入れてからもう四半世紀過ぎた。昔の出来事過ぎて、いくらで買ったのかも覚えてない。
遠い昔、上本町の珈琲専門店で購入。
記憶では、黒い蝶ネクタイにベストを着たダンディなおじさんがいろんな種類のコーヒー豆をバックにカウンターの中にいた。髭があったように思う。記憶がもう曖昧だ。髭は記憶の後付け盛りかもしれない。もしかして蝶ネクタイも。
売っているのはコーヒー豆。コーヒー豆が入っていると思われるドンゴロスの袋が店内に無造作に積まれていた。それと、シルバーの枠組みの飾りっけのないホコリっぽい商品ケースにコーヒーを淹れる三角のやつとか、フィルターとか、コーヒーミルとかコーヒー関連商品が陳列されていた。
コーヒー豆を買うと、おじさんが挽いてくれた。フィルターは?どうやって淹れてる?って聞かれて、フィルターやコーヒーの入れ方によって挽きの粗さが違うんだとその時知った。マンデリンというコーヒー豆をよく買っていたっけ。
あのおじさん、元気かな。あの珈琲屋さん、まだあるかな。。。。
そんなことを思いながらガリガリと珈琲豆を挽く。ひと回しするたびにコーヒーのいい香りが鼻をくすぐる。
コーヒーミルで豆を挽くなんて、時間に余裕がないと楽しめない。
大根を急いでおろすと、とても辛い大根おろしになるとばあちゃんが言っていた。
コーヒー豆も同じだろう。急いで挽くとまずいコーヒーになる。
愛情なのだ。何事も。
愛情を込めてガリガリと挽く。
引き出しを開けると、そこは褐色の雪国だった。まるでまるでコーヒーのバージンスノー。
コーヒーを淹れる。
そして
コーヒーの香りの中、クリスマスカードを書くのだ。
何と言う至福の時だろう。
去年は、アール・デコのクリスマスカードだったな。今年はヴィクトリアンイラストのカードで勝負だ。クリスマスカードは気が抜けないのだ。
去年の今頃↓
PS
気になったので、カードを書き終えた後に「上町珈琲」をググってみたら健在だった。
でも、
超オサレな喫茶店になっていた。ここじゃない。ワタシが知っているあのお店はここじゃない。あのホコリっぽい小売り店はもうないのか?と思ったら隣に健在だった。あの、商売っ気なしの、シルバーの枠組みのホコリっぽい感じ。そうそう、ここだわ。ここ!!
コーヒーミルと珈琲の香りが長い月日をキュキュキュンと巻き戻して、
グーグルストリートビューのそこにワタシは立った。