ハッティさんの牧場の奥は、
ウッドランドが広がっている。
どうやら、ブルーベルが群生しているらしく、フェンス越しに、青い花が咲くのをまだかなまだかなと待ち遠しく眺めていた。
そしてこの日曜日、
ブルーベルが満開になり、お天気も良いのでブルーベルの森に散歩に行ってみる。
ハッティさんの牧場からフェンス越しに見るブルーベルの森。
ハッティさんの牧場側にもちょいと生えてきてる。
フェンスを乗り越えて、いざ、ブルーベルの森へ。
わーーーっ、すごい。あたり一面ブルー。ブルーベルの絨毯。
小径を行けども
行けども、
ただただ広がるブルーベル。
たまに白いお花。
どんどん行こう。
マジカルきのこ発見。
サルノコシカケかな。エルフが座ってそうだけど。
小径を奥へ。
まだまだ続くブルーベルの絨毯。
なんか素敵過ぎて、美し過ぎて、マジカルで、絵本の世界のようで、夢の世界のようで、現実離れしていて、
なんか、なんか、
...怖い。
鳥の囀りと風で草木が揺れる音しか聞こえない。人の気配が全く無いし、なんかこれ以上人間は入っちゃいけないような、もしかしてここはエルフの領域なんじゃないかと思えてきた。
この奥に無限大に広がっていそうなブルーベルの森。もっと先に行っみたいけどなんか怖いのでここらで引き返そう。
途中、ワラビを発見したけど、エルフの領域のものを採ったら絶対に下界に帰れそうにない気がしたので、採るのをやめておこう。
来た道を帰る。
やっと目印の、道が三股に分かれるポイントに到着。
絶対にこっちから来たと思った道を選んで出口に向かって歩くが、
見覚えの無い木が現れた。
木の神様かな。根っこが岩をがっしり掴む様に絡まってる。こんな迫力のある木を見たら覚えていない訳がない。
どうやら道を間違えたっぽい。
魔のトライアングル。体内コンパスを狂わせるブルーベルの森。エルフのいたずらかな。
来た小径を引き返す。ちょいあせる。ヤバないこれ? エルフの笑い声が聞こえてきそうなんだけど。
遠くでガンショットの音がした。北の方の岡の向こうでハンティングをしているらしく、最近たまに聞く銃声。と言う事は、この方向を向いて9時の方向に歩けばハッティさんのフィールドがあるはず。ガンショットの音を頼りに歩く。
ハンティングの流れ玉が飛んできたら嫌だなあ。
かつて三島由紀夫氏が、理想的な死に方として、「森で散歩をしていたら流れ玉に当たって死ぬ事」と私小説に書いてあったな。気分よく森を散歩している間に気分良いまま死んで、撃った人はその弾が人に当たったかどうかわからないので罪悪感を感じることは無い。という理由だったと思う。
それもいいなー、でもイヤだなー。と思いながら早足でサクサク森を歩いた。
やっと、やっと下界に出てこれたよー。
ハッティさーーーん
今度行くときは誰かと一緒に行こう。ハッティさんと行きたいな。
ブルーベルの森はエルフの聖域。
1人で行くといたずらされちゃうよ。
おちまい。