その日は車で出かけようと、ガレージの方へ向かって裏庭を通っていたら、前を何かが横切った。
あれ? 野ねずみのテンプルトンかな?
とりあえずそのまま出かけて、そんなことすっかり忘れて帰ってきたら、また、ささっと小動物が横切った。
何者じゃ?
植木鉢の裏に隠れているのは、野ねずみのテンプルトンじゃなくて、スパロウ(スズメ)だった。
あれ? まだ、ヒナなのかな?いや、こんな冬に生まれないだろう。
家の窓から観察。
ああっ、羽が、羽が折れてるっ。
飛べないのだ。
地上をホップホップ、ぴょんぴょんして、木の枝に掛けてあるバードフードバスケットから落ちた、餌のかけらを食べてる。
そんで、植木鉢の影にひっそりと身を隠してる。また、ちょこちょこ出てきて、ちょっと食べて、また植木鉢の裏に隠れる。その繰り返し。
灰色の羽毛が初毛ぽくもあるが…。
夜になったら、キツネとかに襲われないかしら。心配。
じゃ、スパロウのセイフティルームを作ってあげよう。
ペイストリーの空き箱。ちょうどいいのがあった。空気穴をポチポチあけてと、
そこに、馬ブラシに付いてる馬の毛を入れて、オーツ麦もパラリと入れておこう。
馬の毛は鳥たちの羽毛布団。ラクシュアリー、ふわふわであったかい。奥に押し込む。
それを、ローズマリーの根本のフラワーポットの間の目立たないところに設置。
あったかい馬の毛ブランケットとご飯付き。24時間いつでもチェックインOK。
チェックインしてくれるといいのだけど。
それから、2日くらいスパロウは庭をチョロチョロしてた。
そして三日目、スパロウがいなくなった。
箱の中をそおっとチェック。
スパロウはいなかったけど、餌はなくなっていて、馬の毛が丸くスパロウの大きさぐらいに空洞になっていて、フンもあったので、そこにいたのは確かだと思う。泊まって行ってくれたみたい。
もう、チェックアウトしたのかな。
羽が治って、飛び立って空を自由に飛んでいたらいいな。
でも、セイフティルームはしばらくこのままにしておこう。