今日は三月三日。楽しいひな祭りだった。
馬に会いに行った帰り、フィールドの小道に山桜が咲いていたので、細い枝をちょっともらってきた。お雛様は桃だけど、桜。
うちでは、ひな祭りには、毎年お雛様ケーキなるものを作る。ふわふわのケーキにお雛様とお内裏様が乗っている。
娘曰く、ふわふわのケーキとは、卵の力で膨らむケーキのこと。
こともあろうか、うちの娘はベーキングパウダーで膨らむスポンジと、卵の力で膨らむ軽いタイプのスポンジの違いがわかるのだ。自分の誕生日ケーキとお雛様のケーキはふわふわのケーキじゃないとダメ。というマイルールがあるらしい。
めんどくさい。
ああ、めんどくさい。
卵の力で膨らむケーキは苦手。超苦手。粉を振るわなきゃいけないし、下準備がいろいろとある。
めんどくせー。
しっかりふくらむためには細心の注意が必要なのだ。
おk。じゃ、細心の注意を払い、いざ作るぜ。
卵別立て。
白身と黄身を分ける。
あ"ーーーーーーーっ
最初の段階で痛恨のミステイク。白身にキミが入ってしまった。
絶句。
はやくもやる気なくす。
とりあえず、白身を泡立てる。角が立つまで。
ああ、やっぱ黄身が入ってしまったから、クッタリなる。どうしよう。
んじゃ、共立てに変更。がんがん泡立てる。泡立て器のモーター焼ききれそう。
んーーー、クッタリしてる。ヤバイ。
んじゃ、もうこの際、ベーキングパウダーを入れてやる。困ったときのBP様。粉と一緒にベーキングパウダーもサックリ混ぜる。サックリって。いつまでたってもサックリがどのくらいのサックリなのかサックリわからん。
サックリと混ぜる。サックリと。
30分焼く。膨らむか?
出来たどー。膨らんだー。
神様仏様BP様。
粗熱が取れたら半分にスライス。キメは細かくないけれど、まずまずだ。いいんじゃね。
ブランデーシロップペタペタ。
そうよ。そうなのよ。人間って失敗をする生き物。いつも完璧な人なんていやしない。大事なことは、失敗をした時、何か問題にぶち当たったときに、問題解決能力があるかどうかということだ。
がははははははーー。
見てみろ、失敗しそうになっても、こんなに雑でも、見事に膨らんだぞ。ざまあ。
娘と二人で楽しくデコレーション。二人のセンスがぶつかり合う、もっちゃリした出来栄えのお雛様ケーキ。オンリーワン フォー ユー。
ピンクと黄緑で春らしいと思ってふりかけた小さなハートの飾りはよく見たらクリスマスツリーの形だった。
まあいいか。遠目にはわからへん。
春はすぐそこ。