牧場に
エラというポニーがいるのだけれど、
人間でいうと、もう90歳くらいのおばあちゃんポニー。
このおばあちゃんポニーのエラは足が悪くてヨロヨロしていてもうこれ以上生きるのは無理と判断され、姐さんにレスキューされた。
最初、ここの牧場に来たときは、たてがみもシッポも泥まみれで汚くノミダニもいっぱいで、短くカットされた。
可哀想に恐怖のあまりか下痢も続いていた。
人間嫌いで最初は人に寄り付かなかったのだけど、毎日、おやつにローズヒップをあげたり、ブラッシングしたり撫でたり、目ヤニも取ってキレイにしてあげていたら、ふぉざちゃんになついた。
姐さんが目を拭こうとしても嫌がって、とことこ逃げるんだけど、ふぉざちゃんだと嫌がらない。かわいい。
この前、エラの脚のマッサージをしていたら、
アメージングっ。エラは脚を触られるのがイヤなのよ。誰にも触らせないのよ。痛いから。
と姐さんが言うのだ。
ああ、これはたぶん日本人特有の、ばあちゃん、じいちゃんの肩をもんで培われた肩もみのスキルのおかげかと思う。ツボがどこなのかなんとなくわかる。ポニーの脚でも。
力を入れなくて、ただ脚を筋に沿って撫でるだけなんだけど。
気持ちいいー。ツボ。そこツボよツボ。みたいな感じなのだろうか、エラは気持ち良さげに目を閉じてじーーーーっとしてる。
で、マッサージやめると、振り向いてこっちじーーーーっと見て、もっと。もっとマッサージして。って目が訴えてるの。たぶん。
うちのお子たち、ベイビーとハッティのお世話はもちろんのこと、ここにいるレスキューホース、特にこのおばあちゃんポニーのエラのお世話を精一杯しようと思う。ここが彼女の終のすみかになると思うから。
考え方によっては、元オーナーによって命を絶たたれ、痛みから開放されて安らかに眠れたほうが良かったかもしれない。
安楽死されそうになっている老いたポニーを姐さんは姐さんの思いで牧場に引き取った。
ふぉざちゃんはふぉざちゃんで、なんか、なんか、よくわからんけど、エラをブラッシングしたりマッサージしていると穏やかな気持ちになれるのだ。
足が痛いけど、毎日ブラッシングしてもらって足マッサージしてもらって気持ちよくって楽しかったな。って最後にエラが思ってくれたらいいな。
とか、希望的観測、結局は自分のためにやってて、一種の自己満足みたいなことを思うわけよ。
けれど
それはそれで
それで良いと思う。
季節はずれのタンポポでオシャレなエラ。この後、エラは美味しそうにこのタンポポ食べた。
そゆこと。